減らそうとするほど「もしも」が増えて、持っている方が安全に見えてしまう。
この記事は、「減らしたいのに増える」状態が起きる仕組みを、努力ではなく構造として整理した記録です。
「減らしたいのに増える」の正体
「もう抱えきれない」
「減らしたい」
「全部やらなくていいのは分かってる」
そう思っているのに、なぜか増えていく。
新しいことを足し、やることを抱え、予定が埋まっていく。
ここでよく起きる誤解があります。
増えているのはタスクだ、と思ってしまうこと。
でも、増えているのはタスクそのものじゃないことが多い。
本当に増えているのは、判断です。
「増える」のはタスクではなく判断
タスクが増えるとき、あなたは何をしているか。
優先順位をつける。
いつやるか決める。
どこまでやるか決める。
誰に頼むか迷う。
これは捨てていいか考える。
つまり、タスクが増えているように見えて、
実際には判断が増えている。
判断が増えると、頭の中に「未処理」が残ります。
未処理が残るほど、気持ちは落ち着きません。
だから人は、落ち着くためにこうします。
「決めなくて済むように、全部いったん持っておく」
これが、増える方向への自然な流れです。
一度減らすと不安が出る構造
一度減らすと、不安が出ます。ここがポイントです。
タスクを減らすって、ただ捨てることではありません。
「やらない」を決めることです。
やらないを決めた瞬間、頭に出てくるのはだいたいこれです。
本当に捨てて大丈夫?
後で困らない?
それで評価は落ちない?
チャンスを逃さない?
減らすほど、分岐が増えます。
つまり、減らす行為は
不安を減らすどころか、最初は不安を呼びやすい。
この時点で多くの人はこう判断します。
「やっぱり減らすのは危ない」
「今は持っておいた方が安全」
そして、また増えます。
増やしてしまう人が守っている“暗黙の前提”
増やしてしまう人は、怠けているわけではありません。
むしろ逆で、ちゃんと守ろうとしている。
ただ、その守っているものが“前提”として固定されていると、
増える方向に設計されます。
全部やる=安全、という誤認
「全部やっておけば、失敗しない」
「全部拾っておけば、取りこぼさない」
この感覚はかなり強い。
特に真面目な人ほど強い。
でもこれは、事実というより安全の取り方の癖です。
全部やることは安全ではなく、
判断を先送りできる、という意味で“安心”なだけ。
全部持つと、こうなります。
決めなくていい。
捨てなくていい。
今は痛みがない。
だから、増える。
やらない=失点、という恐怖
もうひとつの前提はこれです。
「やらない」=失点
「手放す」=後退
「減らす」=負け
この感覚があると、減らすことは“選択”ではなく“損”になります。
損を避けるために、人は増やします。
そして増やした結果、身動きが取れなくなる。
でも、この時点でもまだ「やらない」には踏み切れない。
なぜなら「やらない」は失点だから。
ここが、「減らしたいのに増える」地形の核心です。
分岐が増殖するメカニズム
ここまでの話を、構造としてもう一段だけ整理します。
増えるのはタスクではなく判断。
判断が増えるほど、分岐が増える。
分岐が増えるほど、戻る場所が減る。
戻れないと感じるほど、人は安全側として「全部持つ」に戻ります。
この循環が、増殖のメカニズムです。
例:優先順位を付けるたびに、分岐点が生まれる
優先順位をつける。
一見、整理に見えます。
でも優先順位って、こういう判断でもあります。
今はAを優先する(=Bは後回し)
後回しにしたBは、いつやる?
Bを後回しにしたことで、何が起きる?
つまり優先順位をつけるたびに、分岐点が生まれる。
「今はA」を決めた瞬間、
「じゃあBはどうする?」が立ち上がる。
整理しているのに、判断が増える。
だから苦しくなる。
例:保留が増えるほど、判断が再開してしまう
保留は便利です。
一見、判断を止められた気になります。
でも保留が増えると、判断は終わりません。
むしろ再開しやすくなります。
なぜなら保留は、頭の中でこういう状態だからです。
まだ決めてない。
いつでも戻って来れる。
まだ可能性が残ってる。
可能性が残っているものは、
時間が経つほど何度でも判断が再開します。
結果、保留が増えるほど「判断の再開」が増える。
判断の再開が増えるほど、落ち着くために「全部持つ」を選びやすくなる。
だから増えます。
ここまでの結論
あなたが増やすのではない/増えるようにできている
ここまでを一言で言うなら、こうです。
あなたが増やしているのではありません。
増えるようにできている。
減らすと不安が出る。
不安を避けるために全部持つ。
全部持つと判断が先送りできる。
判断が先送りされると、分岐が増え続ける。
この地形に入ると、増えるのが自然です。
努力の問題ではありません。設計の問題です。
まとめ
減らすのは努力ではなく、分岐点の設計
「減らす」は、我慢でも根性でもありません。
分岐点の設計です。
分岐点が増えすぎると、判断が増える。
判断が増えると、不安が増える。
不安が増えると、全部持つ。
この循環に気づけた時点で、あなたはもう一段進んでいます。
減らすべきなのはタスクではなく、分岐点です。
ここまで読んで
「結局、何から手を付ければいいか決められない」なら
考え方ではなく“手順”が必要です。
私は普段、
書くだけで「今日やる1つ」を15分で決めるテンプレートを使っています。
読む教材ではなく、作業用のシートです。
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